テクノロジー
三菱電機ソフトウエア技術レポート
事業・ソリューションを支える技術
三菱電機ソフトウエアが行っている様々な事業の源泉となる技術をレポート形式でご紹介します。
- ・地理情報ソフトウェアの開発
- ・三菱インフラモニタリングシステム
- ・モバイルエージェントによる人物追跡システムの開発
- ・価格競争力強化のための再利用可能ソフトウェア資産の開発
- ・リモートセンシング画像ソリューション
- ・セキュア大容量ファイル転送サービス SPACE PORTER
交通システム
ロケット・宇宙機・人工衛星開発
2023年度
先進レーダ衛星 利用・情報システム「A4EICS」
新しい地球観測衛星「だいち4号」と観測データ利用者を繋げるシステムの構築。衛星データを活用した防災・減災に貢献
2023年度
衛星を用いた船舶の高速検出技術
日本の海洋権益を守るためには重要海域を宇宙から高頻度に観測し、観測画像から船舶を抽出するのに要する時間を極力短縮することが求められる。従来の船舶検出手法を用いて画像全体の船舶検出を行うのは時間がかかるが、「船舶の有無」を先に判定し、「船舶有り」の領域に対してのみ従来手法を用いることにすれば、効率的・高速に船舶検出ができると考え、本稿で紹介する手法を考案した。今後、船舶監視機能を有する地上のシステムへの導入や、衛星オンボード処理への搭載などを推進する予定である。
2023年度
Iterated-UKFを用いた小天体に対する相対画像航法の提案及びフォボスへの適用例
この論文では、小惑星や惑星の衛星への探査において重要な探査機と対象天体の相対航法に焦点を当て、探査機が撮影した単一の対象天体画像から相対位置ベクトルを推定する手法について提案する。また、この手法を火星の衛星であるフォボスに適用した推定精度についても記述する。結果として、フォボスに対するこの手法の精度限界(誤差非存在下における精度)は、初期相対位置ベクトル誤差を各軸3kmと仮定した場合、相対距離が60kmから200kmの範囲(視野角内に対象天体全体が収まり、物体として認識できる範囲)において、30m以下という結果を得た。推定相対位置ベクトル自体には各種誤差が加わることになるが、今後さらなる改善を進めることで実用に供することができるものと考える。
2022年度
宇宙ステーション補給機9機を支えた管制設備に関わる技術
2009年9月に打ち上げられた無人の宇宙ステーション補給機(H-II Transfer Vehicle以下、HTVという)は、2020年まで計9機に亘り、国際宇宙ステーション(以下、ISSという)とランデブーし、ロボットアームによるキャプチャを用いて必要な物資を送り届けるというミッションを達成した。 鎌倉事業所は、JAXA殿並びに三菱電機鎌倉製作所殿に協力し、HTV運用における管制設備の開発と9機すべてに亘り、維持管理運用を支援してきた。 本稿では、10年を超えるHTVのミッションを支えた管制設備に関わる技術/成果について紹介する。
2022年度
先進レーダ衛星 利用・情報システムの構築
先進レーダ衛星 利用・情報システム(A4EICS:ALOS-4 Earth Intelligence Collection and Shearing System)は、地球観測衛星 陸域観測技術衛星2号(ALOS-2)・先進レーダ衛星(ALOS-4)への観測要求の受付/管理や、取得した観測データの保存/配信を行う地上システムである。配信したデータは、災害発生時の状況把握や、火山活動、地盤沈下、地すべり等の早期発見に利用される。 三菱電機ソフトウエア株式会社(MESW)では、2017年12月にA4EICSの開発・保守を受注し、4年をかけてシステム開発を完了した。本稿では、A4EICSのシステム構成、機能概要、開発経緯について紹介する。
防衛システム
2023年度
防衛分野向け多種多様な情報表示機能を備えた地図表示ライブラリーの開発
防衛分野のソフトウエアにおいて、地図表示機能は中核の機能であり、多くのシステムで各顧客の要望に応えながら開発している。地図表示機能は、各システムで独自に開発しているため、システム間の互換性が低く、それぞれで開発及びメンテナンスのノウハウが異なっており、保守要員の確保(属人化)及び開発効率の向上に関して課題があった。そのため、近年防衛分野においても、需要が高くなっているGIS(Geographic Information System)をベースとした地図表示機能をライブラリー化することで、複数のシステムで共通利用を可能とし、開発効率の向上を図った。本書では開発した地図表示ライブラリーに関する概要を述べる。
FAソリューション
2023年度
三菱電機 データサイエンスツール MELSOFT MaiLab
FA現場の課題をAIで解決。 専門知識がなくても利用できるデータ分析ソフトウェアを開発し、生産性の向上に貢献
2022年度
FR Configurator2 汎用インバータAIアラーム診断機能の開発
FR Configurator2は、三菱電機汎用インバータ(以下インバータ)の立ち上げやメンテナンスを支援するソフトウェアであり、搭載されているAIアラーム診断機能は三菱電機AI技術Maisartのコンセプトに沿って開発した技術を活用してインバータで発生した様々な異常(アラーム)の発生要因と処置方法を即時表示し、迅速なトラブルシューティングを可能とした機能である。本稿では、AIアラーム診断に使用したAIを中心とした技術と開発における課題と対策について紹介する。
FAパッケージソフトウェア
2024年度
製造現場向け「FA Smart Solution」
製造ラインの制御データ可視化に向けてお客様自身で手軽に監視画面の開発ができる「FA Smart Solution」を開発
2023年度
ワイヤ・レーザ金属3Dプリンタ用CAMシステム CamMagic
新しいものづくりを支える。人の理解を超えた同時5軸制御と机上で加工を再現する高速シミュレーション
カーエレクトロニクス
2022年度
車載機器用ソフトウェア開発におけるサイバーセキュリティ対応
近年、コネクテッドカーと呼ばれる外部機器との通信機能を有する自動車が普及してきている。自動車が外部とつながることで、サイバー攻撃の対象となり、自動車の制御が奪われるといった実証実験も公表されている。 そのため、車載機器用ソフトウェアにはサイバー攻撃による障害を未然に防止する対策が必須であり、当社ではセキュリティ対策を講じたソフトウェアを開発している。 本稿では、車載機器用ソフトウェアに関する脅威(プログラムの改ざんや情報漏洩等)、また、脅威に対するサイバーセキュリティ技術について紹介する。
ビルインテリジェント
2022年度
コンテナ技術を活用したID管理システムの開発手法
オフィス等の入退室管理を管理する為のID管理システムの開発では、コンテナ型仮想化技術を採用することにより、同一環境を開発環境や試験環境、クラウド上の運用環境やオンプレミス上の運用環境等、別環境に対して効率的に構築が可能である。また、プロジェクト管理やCI/CDツール、ソース管理をクラウド上で共有し、コンテナの特徴を生かすことで設計から成果物の確認までをスムーズに行うことができる。 本稿ではアプリケーションをコンテナとして配布することによるメリットと共に、コンテナ型仮想化技術を活用したID管理システムの開発手法について記載する。
空調・冷熱
回路設計
ITソリューション
2023年度
ServiceNow を利用した運用サービス
運用サービスで運用情報を一元管理し、運用情報を改善提案に活用可能にすることで、循環型デジタル・エンジニアリングに貢献
2022年度
マルチコアDSP上でのアプリケーション開発
近年のDSPにおいてもCPUと同様に処理性能向上のためマルチコア化が行われており、今回、マルチコアDSP上で動作するソフトウェアの開発を実施した。そのなかで、ソフトウェアのブート、DMAやシリアルバス等のDSP内蔵周辺機器のドライバ、コア間通信ドライバ、デバッグツール等を製作し、複数ソフトウェア間での共通化を実現したので、その内容を報告する。また、DSPソフトウェアの処理時間の高速化手順についても報告する。
2022年度
大規模システムにModel-Based Systems Engineering(MBSE)を適用する際の考え方と設計支援ツールの紹介
我々は、メカ・エレキ・ソフト複合システム開発に関してModel-Based Systems Engineering(MBSE)標準プロセスを構築し、モデリング言語としては実質上の世界標準であるSysML™(Systems Modeling Language)をベースに、様々な分野のモデリング設計を実践している。一般的なMBSE適用によるメリットは、“モデル言語規約”を持つSysMLの能力により、誰が見ても同じ解釈となる設計書を作成できることである。最大のメリットは、MBSEの能力により、創発を促すプロセスが構築できることにある。ただし、そのプロセス構築のためには、設計プロセスに関する相当な知識が必要であり、モデリングの次の一歩に踏み出せないでいるエンジニアが多い。我々は、その導入閾値を下げるべく様々なMBSE関連の設計支援ツールを提供しており、本稿では、その仕組みと考え方の一部を紹介する。
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