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テクノロジー

技術レポート:アーカイブ

Category:技術レポート:アーカイブ

MSS技報VOL.20巻頭言

MSS技報VOL.20巻頭言[PDFファイル]
巻頭言
取締役 技術推進部長
菅 隆志
1989年以来、当社の技術を社外の方々にもご紹介することを目的として、毎年発刊してきましたMSS技報も今回で節目となる20号を迎えることになりました。技術系企業にとり、「技報」はその時々に開発した技術が紹介され、まさに会社の技術開発の足跡とも言うべきものです。過去のMSS技報を読み返しても、それぞれの時代の事業環境や技術動向を背景に当社独自の技術を開発してきたエンジニア達の夢や葛藤の跡が刻み込まれていることを改めて感じます。今回は20号を記念して、当社の基幹事業における技術の変遷を各分野を代表するエンジニアに振り返ってもらう特集を企画致しました。本記念号では、防衛分野を除く当社の代表的事業分野での技術開発の歴史を紹介します。まず、防衛と並び当社の基幹事業である宇宙分野では、日本の宇宙開発のパイオニアとしての歴史の一端を「Hロケット誘導方式の変遷」と「衛星通信技術の変遷」の2稿で紹介します。次に、宇宙開発などで培った技術の新事業への展開として、バイオと防災の分野での技術開発を紹介します。ここでは、世界的に熾烈な大規模ゲノム解析競争を支える「ゲノムインフォマティクスの展開」と社会インフラとして定着し日本全土を地震から守っている「地震防災分野への取り組み」が紹介されます。さらに、新しい潮流である「IT新技術の変遷」を紹介します。当社では、2004年に(旧)東京事業部が設立され、様々な新事業の開拓に乗り出しました。当初の目的であった新事業創造の役割を果たし2009年4月に事業部統合するまでの5年間の挑戦の歴史が紹介されています。一方、当社では、組み込みシステムから大規模情報システムの構築まで、様々なタイプのソフトウェアを開発・製造してきており、その開発環境や品質管理にも当社独自の歴史があります。最後に、各事業を支える様々な「開発言語の変遷」と当社が誇る高信頼ソフトウェアの基盤となる「品質への取り組み」を紹介いたします。当社では、様々な事業を展開していますが、根幹にあるのは宇宙開発に代表される高い技術力です。これは、①各分野の高度な専門技術、②先進的なIT技術、そして③高い品質を誇るソフトウェア製造技術、の組み合わせにより実現されています。これにより、当社の企業理念である「最先端の情報通信技術及びソフトウェア技術を基盤とした科学技術を駆使し、新しい価値の創造により情報化社会に貢献する」という高い目標を絶えず追求して参りました。本記念号により、当社とその技術の変遷を少しでもご理解いただければ幸いです。記念特集号として上記のような趣旨で編集したため、各著者のエンジニアとしての個性や思いが論文にも表れ、内容的には統一的でない面もありますが、何卒皆様のご卓見をお寄せいただき、今後ともご指導、ご鞭撻を賜ります様お願い申し上げ、20号記念号発刊のご挨拶とさせていただきます。「20号(記念号)発刊にあたって」