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技術レポート:アーカイブ
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MMS技報VOL.29抄録
抄録 モデルベース開発手法によるリアルタイムシミュレーション 神田吉孝 当社の防衛・宇宙事業へのモデルベース開発の適用を図るべく,人型遠隔操作ロボット“DiaroiD’' を題材に,2019年度から開発に取り組んだ。開発を通じ, MILS(Model -in-the-Loop Simulation),自動コード生成などの成果を得るとともに,モデルベース開発の長所・短所の知見を蓄積することができた。その成果を活かして,リアルタイムシミュレーションによる‘'DiaroiD操縦支援システム”を製作した。本稿では,これら開発の経緯,成果及び事業展開への展望について述べる。GPSを利用した列車接近情報表示技術野中健史国内の鉄道会社では, 駅員や保守員が, GPSで取得した列車の位置情報をタブレット端末で確認し,列車接近時に安全な場所へ避難している。謬は,麟や保守員が,タブレット端末にてより正確で視認性高い方法で列車接近状態を確認できるようにするための以下の三つの実現方法を記載した。(1)正確な列車位置情報を取得できるようにするため, GPSの測{雌呉差の補正方法を検討した。(2) JavaScriptによるWEBアプリケーションとして実装する方法を検討し,プラットフォーム依存性を排除した。(3) Google Map JavaScript APIにより地図を取得し,その上に列車や現場の保守員を画像アイコンとして描画する方法を検討及び検証した。将来,商用化に向けた開発の際は,実環境の位置情報で,この実現方式での更新速度や補正効果を検証する。FPGAエミュレーションによるRPAを使ったSQA審査業務改善組込みs/Wのテスト効率化と品質向上三原拓也佐藤亨徳田伸矢藤井慎平山本武衛星通信システム向け通信機器製品ソフトウエアのテ昨今の第3事業部のS/W開発プロジェクトでは変更開スト効率化と品質向上を実現するため, FPGAエミュレー発が増加し,多くのプロジェクトが発足している。SQA担ターを開発した。当者は,それに対応していく必要があるため,作業品質をFPGAエミュレーターは,実際のハードウエアが無い環落とすことなくSQA審査の効率化が求められている。SQA境でも実機と同等のソフトウエアテストを実施するため審査の内容を検討し,審査対象成果物に対して繰り返しとのフレームワークである。誤りの早期検出や,実機では実なる作業をRPAツールにより自動化することで効率化を施困難な異常系・準正常系テスト項目の実施が可能となる。図った。またRPAツール開発時,作業の効率化に加え,自FPGAエミュレーターの特長は,共通部と拡張部⑲牡h 動化範囲の拡大のための工夫を施した。これらによりSQA固有機能)を明確に分離した構成であり,さまざまな製品審査の作業効率化が実現できた。への適用を想定している。衛星通信モデムヘの適用における改善効果確認をふまえ,今後は,更なる共通化やモジュール化の促進によって,より効率的に使えるテストフレームワークに改良していく予定である。ーAIを用いた時系列予測における苦手パターン自動追加学習ツール開発赤銅知沙AIを実際のシステムに適用する際学習では想定していない未知の入カデータによる誤判定が生じる場合がある。よって,誤判定を回避し, AIの精度を向上するために,学習モデルに追加学習させる必要がある。追加学習作業には,誤判定を起こす入カデータ(苦手パターン)の分析,追加学習データを生成・学習する作業が必要となる。これらを手作業で行うのは,多くの時間を要する。cc—Link IE TSNリモート局認証クラスB対応製品開発技術の確立里中大紀米良滉太郎スマート工場実現へ向けたFAネットワーク規格であるCC-Link-IE TSNを搭載したリモート局認証クラスB製品の開発事例を紹介する。本開発では, H/WとS/Wの技術者が要求仕様段階から連携して開発を行い,第三者機関であるCC-Link協会からの認証取得及び顧客現場ニーズに即した製品開発技術を確立した。確立した製品開発技術の概要として, H/Wでは実運用でそのため,今回,時系列データを扱う学習モデルを対象の視認性や操作性を考慮し駐板の小型化/汎用化を行った。とし,苦手パターンの追加学習作業を自動化するソフトゥS/Wでは顧客の{吏用性向上を考慮しS/W構成を工夫するこェアを開発し,その評価を行い,追加学習作業にかかる時とで今後の流用性確保を行った。間の大幅な短縮効果を確認した。今後は本開発経験を甚にFAネットワーク市場シェア拡大に貢献する所存である。デジタルプリディストーション技術を用いた広帯域低歪増幅器土谷和之近年のA/D, D/A及び,デジタル回路の発展により,歪補償の一つであるデジタルプリディストーション(DPD)技術が活用されはじめ,高度なシステムを構築するには必要不可欠な技術となっている。今回,帯域幅5MHzの256QAM信号に対して,隣接チャンネル漏洩電力—57. ldB, 歪補償量17.3c!Bの優れた性能を有するDPD増幅器を実現したので,その開発内容を報告する。また,バイアス回路を変えた2種類の増幅器について,増幅器の動的モデルの抽出を行い,歪補償ありと歪補償なしの特性を検証し,高い精度でモデル化できている結果を得たので,モデル化に関する内容についても報告する。2