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MCR技報VOL.29巻頭言
巻頭言 日頃より三菱電機コントロールソフトウェア(MCR)をご愛顧・ご指導いただき、誠にありがとうございます。 この度、MCR技報第29号を発行するに当たり、一言ご挨拶申し上げます。 当社は、2020年に創業40周年を迎えました。「人と技術の調和を図り、より快適な社会づくりに貢献していくこと」を企業理念とし、三菱電機グループのソフトウェア開発の中核を担うパートナーとして、三菱電機の基幹事業である社会・公共・電力・交通システムから映像情報システム、FAシステム、カーエレクトロニクス分野など、幅広い領域で、信頼性の高いソフトウェア開発を行ってきました。また、一般産業向けのお客様のご要望にお応えし、システム開発から運用サポートまで一貫したシステムインテグレーション事業や三菱電機製シーケンサMELSECに対応したエンジニアリング支援ツール、及び、FAシステムに対応したパッケージソフトウェアの開発・販売事業も推進してきました。 今回の技報では、特集論文として、「産業・社会を支える最新システムとソフトウェア技術」をテーマに、製造業に適用しているFAシステムの最新技術報告を1論文、社会・公共・電力システムに適用している最新技術報告を4論文報告いたします。 FAシステムの論文では、IoTにより収集される多種・多様のデータを工場運営に最大限活用する「データ活用ソリューション」に適用した技術を報告いたします。 社会・公共・電力システムの論文では、従来の画像処理を用いた道路交通量計測装置にAIを導入するとともに複数台カメラのリアルタイム処理を実現したソフトウェアの開発、高密度レーザ・高解像度カメラを搭載した道路・鉄道の点検業務を管理・解析する社会インフラ維持管理システムの開発、電力系統の他メーカ製給電所・制御所との連携訓練を可能とした訓練機能の実現、及び、電力会社配電部向けに最適な設備取替計画を支援する海外パッケージ製品を適用したアセットマネジメントシステムの開発を報告いたします。 一般論文では、三菱電機(株)対応として、FAシステムからは、小規模装置向けマイクロシーケンサCPUユニット「FX5UJ」のハードウェア開発、及び、手作業が多い組立現場の管理業務支援と品質向上を目指した製造管理システム開発事例を報告いたします。 交通システムからは、鉄道車両向けモータ制御・ブレーキ制御をはじめとする車両走行制御システムのソフトウェア標準化やツール活用による開発効率化の事例を報告いたします。 カーエレクトロニクス分野からは、車両情報模擬機能の精度・処理速度を大幅に向上した電動パワーステアリングシステムシミュレータの開発、車載制御装置でのアジャイル開発における要件定義プロセス改良と見積り精度向上に取り組んだ改善事例、及び、機能安全規格ISO26262に適合した車載用ECUソフトウェア開発に当たってのアーキテクチャ設計・安全性分析事例を報告いたします。 また、社内システムとしてプロジェクト管理に当たってQCDデータの一元管理による品質・コスト・進捗の見える化や定量的評価を可能とした生産管理システムの開発を報告いたします。 最後になりますが、当社はこれからも技術力の強化と品質システムの改善に努め、三菱電機及びグループ各社と連携して、幅広い分野で社会に貢献していきたいと考えております。 今後とも皆様のご支援をよろしくお願い申し上げます。 三菱電機コントロールソフトウェア株式会社取締役神戸事業所 所長 香取 英明