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テクノロジー

技術レポート:アーカイブ

Category:技術レポート:アーカイブ

MCR技報VOL.27巻頭言

MCR技報VOL.27巻頭言[PDFファイル]
巻頭言
日頃より三菱電機コントロールソフトウェア(MCR)をご愛顧・ご指導頂き、誠に有難うございます。この度、MCR 技報第27 号を発行するに当たり、一言ご挨拶申し上げます。当社は1980 年設立以来、「人と技術の調和を図り、より快適な社会づくりに貢献してゆくこと」を企業理念とし、三菱電機グループのソフトウェア開発の中核を担うパートナーとして、三菱電機㈱の基幹事業である社会・公共・電力・交通システムから映像情報システム、FA システム、カーエレクトロニクス分野など、幅広い領域で、信頼性の高いソフトウェア開発を行ってきました。また、一般産業向けのお客様のご要望にお応えし、システム開発から運用サポートまで一貫したシステムインテグレーション事業や三菱電機㈱製シーケンサMELSECに対応したデータロギングツールやエンジニアリング支援ツール及びFA/PA システムに対応したパッケージソフトウェアの開発・販売事業、さらに産業用途向け耐環境PC(FA-PC 事業)も推進してまいりました。今回の技報では、特集論文として、「ソフトウェアの開発・設計プロセスの改善」をテーマに、設計プロセスではUSDM(Universal Specification Describing Manner)を活用することにより、上位の要求仕様からシステム仕様、機能仕様への展開プロセスにおける改善状況、およびロバストネス分析を活用することによりソフトウェアを構成する各タスクの仕様やタスク間インターフェイスの明確化を図る取組状況について報告いたします。また、既存ソフトウェアの改造が中心となる、派生開発におけるソフトウェア開発プロセスに対し、手戻り工数の削減や不具合流出の削減を目的としてXDDP(eXtreme Derivative Development Process)を導入し、変更要求仕様、トレーサビリティマトリックス、変更設計書への展開プロセスの改善方法について報告いたします。さらに、近年、カーエレクトロニクス分野で主流となっている、Automotive SPICE をテスト業務に適用し、設計内容を全て網羅するテスト計画書およびテスト戦略の策定を行い漏れや重複のないテストプロセスを確立する取組みについて報告いたします。一般論文では、三菱電機㈱対応として、社会インフラ構築に貢献する各種アプリケーションソフトウェア開発から、次世代配電系系統電圧制御システムの開発、交通システム分野からはLinux を適用した列車運行管理システムにおけるマンマシン操作の記録/ 再生ツールの開発を報告いたします。カーエレクトロニクス機器関連の開発からはAUTOSAR に準拠したCAN 通信プロトコルのHILS(Hardware In the Loop Simulation)への適用開発と、後退時衝突被害軽減ブレーキ対応ソナーソフトウェアの開発について、FA システム分野からはエッジコンピューティング製品群向けソフトウェアの開発およびシーケンサプログラムやデータのバックアップソフトウェアとしてMCR で開発した、“MCStoragia”の機能について報告いたします。また、産業用途向けとして開発した省スペースFA パソコン、PEACE-E200 について報告いたします。最後になりますが、当社はこれからも技術力の強化と品質改善、生産性向上に努め、幅広い分野で社会に貢献してゆきたいと考えております。今後とも皆様のご支援をよろしくお願い申し上げます。
三菱電機コントロールソフトウェア株式会社
取締役社長
武知 秀行