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技術紹介

事業を支える基盤技術

当社は、システム・エンジニアリング会社として、現在、11の製品・ソリューションを展開しています。これらの事業を、創業以来培ってきた3つの特長的なコア技術と、3つの生産技術に支えられ、大きく3つのサービスでお客様へ提供・展開しています。

コア技術

当社は、コンピューターとその関係技術に係わり、宇宙開発事業をはじめ、さまざまな分野へシステム・エンジニアリング事業を展開しています。
その成長エンジン、収益エンジンのコア技術が「数理解析」、「計測・制御」、「シミュレーション」です。

数理解析

宇宙開発事業に培われた数理解析技術

創業以来、私たちが最も長きにわたり携わる基幹事業が宇宙システム事業です。1966年に宇宙開発のシステム・エンジニアリング会社として、ロケット開発等の国家的事業に参画し、現在に至るまでロケットの航法・誘導制御、科学技術衛星、通信・気象・観測用の実用衛星の管制・誘導などに携わっています。ロケット、人工衛星、無人輸送機などの飛行体は、それぞれのミッションを達成するために適切な飛行ルート(軌道)を選択し、正確に飛行することが重要になります。正確な軌道に飛行体を誘導するための制御ソフトウエアのアルゴリズムを設計する方法として、運動モデル化やモデル検証のための解析にニュートン方程式やオイラー方程式をはじめとした数理解析技術を応用しています。

宇宙から航空、防災、ライフサイエンスへ、技術領域を拡大

地震や津波、台風などの発生や災害規模予測、医療や創薬のためのゲノムやタンパク質の解析など、大量データを高精度に処理するための理論とアルゴリズムの研究・開発がおこなわれています。問題解決や新たな発見のために、ビッグデータ解析、AI技術など数理解析の応用がますます進むことが考えられます。
航空システム事業では、宇宙システム事業と同様に飛行運動モデル、熱・構造モデルの構築と解析、信号処理アルゴリズムの設計など、広く数理解析技術が応用しています。
防災・環境システム事業では、地震の震度予測において重要となる震源特性、伝播経路特性、地盤増幅(サイト)特性の3つの特性、地盤増幅特性(周期特性や増幅特性)の評価モデルを構築し、地震動(震度)を解析・予測し被害予想の精度を向上させるための研究を支援しています。
ライフサイエンス事業の分野では、バイオインフォマティックスと呼ばれる研究領域において、タンパク質モデルの構築、ゲノム解析を行うアルゴリズム実装など、生物研究者や医療・医薬研究者等にゲノム配列情報、遺伝子発現情報、ゲノム変異情報などの解析技術を提供することで、新たな発見や病気等の原因究明、治療方法(治療薬)の探究を支援しています。
そのほか、公共・IT事業においては、コンピューターを用いた作業効率の向上や生産性向上、生産の自動化を目指す場合、数理解析の概念を取り込んだモデル化を行い、データ入出力の特性分析や情報処理方式の最適化を行っています。

このように当社は、最先端の研究を行う研究者、効率化・最適化を求める様々な業務のコンピューター・システム利用者に対して、「数理解析を現実の事象の解析に応用する」、「数理解析技術をもとにシステムに求められる機能を実装する」ことに取り組んでいます。

計測・制御

宇宙で培われた計測・制御技術

当社は三菱スペース・ソフトウエア創業後、まもなくロケット開発、人工衛星開発、地上管制システム開発など宇宙開発事業に携わっています。とりわけ人工衛星を目的の軌道にのせるために、方向や速さを制御しながら計画通りの飛行コースやスケジュールにそって飛行させなければならないロケット開発において、計測・制御はなくてはならない技術です。

その技術は、身近な暮らしへ

計測・制御技術は、私たちが展開するシステム・エンジニアリング事業の中で、システム実現の基本ともいえる重要な技術です。
車載システム事業では、カーナビゲーションシステムにおけるルート探索・誘導ソフトウエア開発、電動パワーステアリングのモーター制御、ハイブリッド車や電気自動車のインバーター制御などの組込みソフトウエアに応用しています。
通信システム事業では、列車無線システムや通信ネットワーク機器におけるネットワーク内の通信フロー制御や、通信障害時や災害等緊急時のネットワーク網の切換え制御ソフトウエア(機器監視制御)に応用しています。
防災・環境システム事業では、地震の際に初期微動を検知し列車の運転制御判断を行うシステム開発、鉄道駅に設置されている可動式ホーム柵の安全稼働・安定動作のための状態監視システムの開発など、リアルタイムでデータを収集(計測)し、データ解析・処理(制御)、可視化、評価するシステムを提供しています。

シミュレーション

問題の予測や解決手段を仮想的に再現

様々な事業分野で活用される3つめのコア技術が、シミュレーション技術です。
数値解析技術と計測・制御技術とともに独自の技術革新を図りながら、コンピューター技術の進化とともに事業推進の核となり、様々な事業分野で活用されています。
宇宙システム事業では、飛行体の飛行運動シミュレーションや軌道シミュレーションのプログラム開発、人工衛星の地上システム開発や運用設計、訓練、およびトラブルシューティングなどで重要な役割を担う衛星シミュレーター開発(人工衛星の機能を模擬)などを行っています。
防衛システム事業では、オペレーションズ・リサーチ技術を取り込んだシミュレーション・システムの開発、レーダー信号処理シミュレーション、レーダー追尾シミュレーション、艦船武器管制シミュレーションなどの開発を行っています。
防災・環境システム事業の分野では、地震動シミュレーター、津波モデル・シミュレーション、気象モデル・シミュレーションなどを行っています。
車載システム事業では、開発対象となる車載機器周辺機器の機能を仮想的に実現し、実機搭載と同様の試験環境で、効率的に高品質なソフトウエア開発を進めています。

革新的な進化を遂げるシミュレーション技術

シミュレーションは、VR(Virtual Reality:仮想現実)、AR(Augmented Reality:拡張現実)、MR(Mixed Reality:複合現実)など、コンピューターの発展と共に劇的な進化を遂げています。そして、これらは高度な認知・視覚化・体験・作業支援・学習の拡張・行動の支援等をもたらす画期的な技術として、自動車のドライブ・シミュレーター、航空機のフライト・シミュレーター、医療の手術用訓練シミュレーター、リハビリ訓練シミュレーターなどの用途で活用されてきています。今後は新たな分野における人間の作業行動を支援するシステムとしての実現も期待されており、当社は、創業以来、事業のコア技術として培った数理解析、計測・制御、シミュレーションの3つのコア技術に技術革新を図りながらシステムの提供を続けていきます。

生産技術

当社は、ソフトウエア開発を主体としてシステム開発、システムエンジニアリング事業に携わり、現在では様々な分野に事業を拡大しています。
いずれの事業分野においても、高い品質と信頼性が求められており、こうした要求に応えるための生産技術が「ソフトウエア開発技術」、「ソフトウエア開発プロセス技術」、「研究開発」です。

ソフトウエア開発

ソフトウエア開発の草分け的存在として

当社は、1968年に宇宙システムのソフトウエアエンジニアリングを主体とした業務を開始しました。
そして、ロケット誘導・解析事業、衛星/防衛関連のソフトウエア製造事業等に携わる中で、多種多様なプログラミング言語仕様によるソフトウエアシステムの開発をしてきました。

開発技術を将来へ受け継ぐために

現在、コンピューターが制御を行うシステムにおいて、システムの機能を具体的に実現するためにソフトウエアの存在はとても重要になっています。低スペックのコンピューターしかない時代、その仕様にあわせてソフトウエアを製作し、システムを最大限のパフォーマンスを追及して開発をしてきました。ソフトウエア品質、いわゆるモノの品質の確保を第一に考える開発技術を将来に引き継ぐために、自社独自の教育プログラムを構築し、多様化するソフトウエア・オリエンテッドなシステム・エンジニアリングに対応しています。

《代表的な教育プログラム》

  • コンピューターアーキテクチャ
  • ソフトウエア工学
  • オペレーティング・システム基礎
  • データ構造とアルゴリズム
  • ソフトウエア開発技法
  • UML講座(入門/モデリング
  • プログラミング作法
  • オブジェクト指向入門
  • プログラミング言語講座(C++/Javaなど)
  • データベース基礎
  • 情報セキュリティ
  • 組込プロセッサ概論

ソフトウエア開発プロセス

システム開発をトータル品質で考える

当社は、様々な分野でシステム・エンジニアリング事業を進め、システムとしての高い品質、信頼性を求められる中で、早くからモノの品質(不具合の少ない高機能な高性能なソフトウエアの品質)に加えて、モノの生産プロセスの品質(プロジェクト管理プロセス、システム開発プロセスの構築、維持、運用により確保される生産品質)を重要と捉え、生産プロセスの構築、管理規則の充実、管理の実施を行っています。

品質を担保する開発プロセス

業務の多様化、技術の変化とともに「全社統一の開発技術標準」、「部門統一の開発技術標準」を制定、またシステム開発の全ライフサイクルの作業工程、作業文書、審査、技術の標準化を重視し、プロジェクト管理についてまとめたシステム開発作業標準「プロジェクト管理ハンドブック-システム開発作業標準-」を発行、その後改定を重ねながら世界に共通する開発プロセス技術で生産・品質のマネジメントを支えてきました。
当社は、開発プロセス品質を維持し、すべての事業で品質の高い製品・サービスを提供し、顧客の信用・信頼を得、社会に貢献し続けています。

プロジェクト・マネジメント・プロセス例

研究開発

自社開発は未来への架け橋

当社は、最先端の情報通信技術及びソフトウエア技術の革新のため、新しいアイデア(発想)、新しい技術の発明、新たな価値の創造により研究開発(自社開発)を進めています。

成長への飽くなきイノベーション

当社は現在、様々な事業分野でソフトウエアを主体としたシステム・エンジニアリング事業を展開していますが、変化の激しい市場環境の中で、事業拡大の原動力なっているのは組織的な技術開発(自社開発)による新たな技術の取り込みにあります。
当社では、技術開発(活動)の目的と開発活動遂行により期待される成果・効果により開発を分類して必要な技術開発が必要な時期に網羅的に行われるように計画的に進めています。

開発の分類とテーマ
開発分類

【重点開発】

既存事業もしくは将来事業戦略上重要かつ大規模な技術・製品開発、及び、新規事業創出、新市場形成に備える技術・製品開発であり、将来事業戦略にむけた先進的・革新的な開発。

【一般開発】

既存技術・製品もしくは部門共通ないし標準的な技術・設備・方式の改良等を目的とした開発。
空調・冷熱においては「賢く快適な暮らしを実現する技術」「ビルでも快適省エネを実現する技術」「未来を豊かにする先行技術を共同研究」実施。その他、AI技術や映像処理技術に関する産学連携を図っている。

テーマ区分

新しい知識・技術の発見を目的とした調査・探求と、新しい製品・サービス・生産方法の開発及び著しい改良のために、研究の成果その他の知識を具現化する活動。

現在保有もしくは獲得済みの技術・サービス・生産方法の品質・性能向上、生産方式の改良のための活動。

サービス

当社は、11の分野で、ソフトウエアを主体としたシステム・エンジニアリング事業を展開しています。
それらの事業は、3つの特長的なコア技術を中核に、3つの生産技術による高い技術品質と高い信頼性で成り立っています。
そして、それぞれの事業で、お客様が満足度(付加価値)を高く得られるように3つのサービスを提供しています。

サービス体系図

技術提供

  • 顧客ニーズに基づく仕様に合せた個別生産(顧客個別対応)を基本とし、当社技術に対する顧客の高い信頼をもとに、顧客ニーズに対し、直接対応することで業務を遂行します。
  • 事業分野別の専門的な知識と技術・経験豊富な技術者が対応します。
  • 重要性、緊急性の高いニーズのあるお客様に効果的な業務形態です。

受託開発

  • お客様のニーズに対し、仕様提案からソフトウエア設計・製造・試験、運用・保守までを系統的にシステムとして業務を遂行します。
  • セキュリティー・サービス向上に向けた映像処理・配信にも対応します。

製品・サービス

  • 市場のニーズや技術動向をもとに、ソフトウエア製品の販売やソリューション提供するとともに、インターネットを活用した情報提供サービスも行っています。
  • 組込みソフトウエア設計はもちろん、ハードウエア開発・LSI設計も行っています。